CYCLE FIGUR 〜 サイクルフィギアとは?

●競技の概要

サイクルフィギュアは、英語でアーティスティックサイクリングと呼ばれ、ドライビングエリア(サイクルサッカーのコートと同じ)内で演技の美しさや難しさを競うスポーツで、バランス、集中力、勇気を必要とする難しい技を展開させるところがフィギュアスケートや体操競技と似ています。サイクルフィギュアは華麗かつ繊細で、見て楽しい競技といえます。
<種目>
男子シングル(1人)、女子シングル(1人)、女子ペア(2人)、ペア(男子ペアまたは男女ペア)、チーム(4人、6人制)の部門があります。


<自転車>
サイクルフィギュア用のもので、前後のギヤ比は1対1。ハンドルは、競技者が上に乗れる様な形になっています。バック走行も可能です。


<コート図面>
a)センターポイント
b)ドライビングエリア・ショ-トサイド
c)ドライビングエリア・ロングサイド
d)インナーサークル直径4m
e)アウターサークル直径8m
f) クオーターサークルマーク


<演技時間>
5分間  ※2008年1月から競技規則が改定されました。


<演技>
サイクルフィギュアの技にはそれぞれ難しさに合わせ、きめ細かく、点数が設定されています。技の種類は大きく分けると二輪走行系、ターンジャンプ系、移行系に分けられ、倒立走行や、フィギュアスケートでよく見られるスピンなども有ります。難しい技や時間のかかる技、そして、失敗しやすい技には高い点数が設定されているわけです。演技者は定義された技の中から30種目を選び出し、演技中に流す音楽と一緒に演技リスト(審査表)を提出します。演技時間は5分間となっているので、ポイントの高い難しく時間のかかる技だけだと、30種目の技ができなくなって、反ってトータルでマイナスとなることもあります。


<審査>
競技は種目別に、審査による採点方式で競います。
ディフィカルテイージャッジ(技術点)と、パフォーマンスジャッジ(演技点)に別れ、減点方式で行います。ディフィカルテイージャッジは、そのフィギュアが完全なフォームであったかどうか、完全な姿勢でなければ減点になります。また、パフォーマンスジャッジは、フラツキや落車があったかどうかが審査されます。
フォワードとバックワード、あるいはウィリー(一輪乗り)などの走行の仕方があり、点数が変わってきます。また、ウイリー系でポジションを変える移行系の技や、ターンなどもフィギュアリスト中の点数として大きいウエイトをしめています。走行系の技ではハーフサークル(半円)、サークル(円)または、エイトサークル(8の字)を描ききらないと減点となります。
また、ペアの競技では、前半が2台の自転車で、後半は1台の自転車に二人乗りで演技を行います。当然、2台の時は二人が同時に同じ技を行い、同時性も採点の対象になります。1台の自転車に二人乗りの演技では、技と技の切り替えを1台の自転車の上で行うことになるので、そこでスムーズに切り替えられない場合には時間がかかり、規定時間内に行える技の数が少なくなってしまいます。






●競技の起源と世界選手権の歴史

19世紀の後期に自転車を娯楽として楽しむ人たちやクラブが、お祭りや集会などで自転車ショーとして、アクロバティックな曲乗りからグループによるマスゲーム的なものまでバラエティーに富んだ競技会が開催されました。現在の競技規則の原形が取り入れられたのは、1928年にドイツ選手権大会が開催されたのが始まりで、以後、ヨーロッパ選手権に拡大され、正式に世界選手権大会が行われるようになったのは、1956年のコペンハーゲン大会からです。現在22カ国の選手が参加しています。



●日本での取り組みと現状

1978年に日本サイクルサッカー連盟(現日本室内自転車競技連盟)内にサイクルフィギュア委員会が設立され、1985年から全日本選手権大会が行われるようになりました。1998年の第1回アジア大会では女子シングルで優勝、男子シングル準優勝という記録を残しましたが、その後選手層の厚い香港、澳門に後れを取っていますが、近年若い選手が育ってきておりアジアタイトル奪還も近いでしょう。日本での全競技人口は未だ少数で、世界選手権入賞を目指すにはよりいっそうの普及・育成が必要と思われます。